夫と私

よくあるタイプの女オタクの私とサッカーが好きな夫の話

面談

半期終わるごとに課長と面談をする。課長は穏やかな話ぶりなのだがなんとなく話の噛み合わない人だなとは思っていた。ただ私は大体の人と話が噛み合わないので普段からあまり気にしていない。

課長から今期の働きについていろいろ言われた後、「何か悩みや言っておきたいことはないですか」と聞かれたので、「これ以上昇格する必要性があるのかどうか悩んでいる」と答えた。

「まあ、その件は気が変わるかもしれないから今は置いときましょう」と課長は言い、続けて「他には何かないですか?」と言うのだった。いやいや話す気なくなるよ。悩みあるんで一緒に考えてくださいよ。考えるフリくらいしてくださいよ。

今までも思っていたが多分課長は私に言わせたい内容があるのだろう。もっと空気が読める人ならちゃんと会話を成立させられるのかもしれないが、私には無理だ。いえ特に、他にはないですねと言って面談は終わった。互いに実りのない面談だった。

線を引くということ

ある日の打ち合わせで上司が出してきたグラフに曲線が引かれていた。

……なぜ?

なんでそうしたいのか理解できず質問したが、明確な回答は得られなかった。

グラフをどう作るのかというのは技術者にとってとても大切なことだと思う。少なくとも私はそういう教育を受けた。

基本的に、信じられるデータであるのは、実際に測定したデータをプロットした点だけ(点も真実であるとは限らないけど、その測定をしたときにそのデータが出たということは事実なので、信じる前提で話をしないといけない)であり、それに対して線を引くと言うことは自分の考えを表現するということである。点と点の間にも、ちゃんと条件を振って測定すればデータを取ることができる。しかし無限に点を増やすことはできない。だから、点から予想される間のデータを線で表現する。データを解釈した人によって線の引き方が違っている可能性ももちろんある。

点と点を直線で繋ぐのであれば、とりあえず傾向を見たい。理論が整った近似式がない。適当な式に当てはめて思い込みを作りたくない。

直線近似など、近似式を使うのであれば相関性をアピールしたい。理論に則ったデータが取れていることを示したい。

提示されているデータは全て読み取って、余さず組み合わせて考えなさい、それは必要だから提示されているデータです。という教育を受けたので、描かれた謎の曲線(多分スムージング?)を見て混乱してしまった。

しかも作った本人は特に理由もなくそうしたらしい。

そんなことあるのか????

本当にビックリした。データに対する意識が低すぎるのではないか。怒りとも呆れともつかない感情が去来したが、そういうことを言うための打ち合わせではなかったのでやめておいた。

しかし、なぜ曲線だったんだ。細かいことが気になりすぎて、今日も仕事が進まない。

今更

6月になり少しずつ出勤をするようになってきた。家と会社の最寄駅の間は電車で30分以上かかるので、立っていると疲れるし座っていても退屈だ。出勤制限がかかる前はずっと携帯電話でInstagramなどを見ていて、それが原因で料金プランを変更したことさえある。しかし最近ずっと家にいてそういったことは飽きはじめていて、先日改めて本を読もうと思って文庫本を持ち込んだ。なかなか難しい内容の本なので、電車の中ではあまり集中して読めなくても仕方ないだろうと思って読みはじめたが、思いの外集中して読むことができた。

ネットサーフィンは遅く見積もっても小学校高学年くらいの頃から始めた趣味で、20年程度はやっている計算になる。これに飽きることがあるとはあまり思っていなかったが、いつからかいつものように楽しくは感じないなと思い始め、本を読むほうが面白いのではないかと思い始めた。SNSで色々な人の情報が得られて面白いが、雑多すぎるし悪意のある情報も多くて精神的に辛いこともある。本だと秩序立った順番、内容で情報が入ってくるので理解しやすいし、一定の範囲内から逸脱しないのでテーマに集中して理解を深めることができる。

どちらも好きだと思ってはいるが、どちらかに寄りすぎると疲れるのかな、と思った。

夫と洗顔

男性はどこでどうやって美容について知り、身に付けるのだろう。

女性は多分、母親や周囲の女性がメイクをしたりスキンケアをするのを見る機会がそれなりにあるので、そこから身につけていったり、雑誌やネットから情報を得て応用して行ったりするのだと思う。男性にはそういった機会があるのだろうか。

夫は自分の顔に関する興味があまりなく、荒れやすい肌にもかかわらず洗顔もスキンケアも適当だった。Tゾーンに角栓がたまる一方で頬は乾燥して粉を吹くという、典型的な混合肌なのに対して対策をしたいとも思っていないのが私には衝撃的だった。

だいたい夫は不器用なのだ。一回顔を洗っているところをみたら、洗顔フォームを軽く手でこねて、全然泡立っていない状態で顔に塗っていた。こりゃだめだと思って私が使っている泡立てネットを使うように言ったが多分うまく使えていないと思う。

ふと思いつきで最近ジェル洗顔を勧めたら、目に見えて肌の調子が改善していた。具体的に言うと角栓が激減した。乾燥はあまりよくなっている感じではないが、それは保湿のほうで改善してもらうことにしよう。

色々な美容グッズが世の中にあるが、効果を高めるだけではなく不器用さをカバーすると言った方向性の活用があるのだなという気づきを得た。

新しい家具

引越したので新しい家具を少しずつ買っている。あまり高価なものは買えないので、基本は通販サイトの組み立て家具だ。今日はダイニングテーブルと椅子のセットが届き、夫と2人して組み立てた。ものは安価ではあるが、それなりに洒落た雰囲気になって満足。

色を選ぶのが苦手なので、家の中においてよく見えるものについては、基本的にモノトーンにするようにしている。今の家の壁紙は白なので、白にすることが多い。新しいダイニングセットも基本は白だが、汚さないか心配だ。

家具選びは難しい。

大きすぎるテーブルを置くとソファ(無印のにしようと思っているが、まだ確定していない)が置けなくなってしまう。しかし以前から使っていたものは少し小さく、それよりは大きいほうがいい。また以前のものは椅子の座面が高く私の足が床に届かないために座りづらかったので、もう少し低いものが望ましい。さらに望ましくは、1〜2名程度の来客であれば同じテーブルにつけるような大きさがよい。

とにかく文句が多い。しかもそれなりの価格でないと買う気にならないので、いろいろと迷った結果これにした。

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円形テーブルは同じ面積であれば、四角のテーブルよりも多人数に対応しやすいらしい。あと単純に円形テーブルを使ったことがなく、なんとなくお洒落だなと思ったのも大きい。

食べ物と温度

もしかしたら、というか多分、ほぼ全ての人が知っていることなんだと思うけれど、最近知ったことがある。

食べるものは温度によって味が変わる(味というか、味わい?)ということだ。

先日初めてプリンを作ったのだが、ちゃんと固まっているのか不安で、冷めきらないうちに一口食べた。そのときは生温かくて微妙に甘い茶碗蒸しのような感じで、正直おいしくないし失敗したと思っていた。しかし量が量だった(グラタン皿にいっぱいあった)のですぐに捨てるのが忍びなく、一応冷やしてみようと思って冷蔵庫に入れた。

夕方になってしっかりと冷えた状態のプリンを食べると、温かいうちに食べてしまったときとは全く味が違っていて、(売っているものみたいに美味しいわけではないが)十分美味しいと感じた。

それ以外にも、夫に作り置きしてもらったおかずをずっと冷蔵庫から出してすぐ食べていたのだが、気まぐれに温めたり冷蔵庫から出してしばらくしてから食べたりしていたら、温度を変えるだけでずいぶん味が違うな!と感じることが度々あった。

多分みんな知っているのだけど、あまり意識していなかった。調子に乗ってたまに変なものを温めてあまり美味しくなくなったりもしているが、新しい視点ができた。

賢いキャラクター

在宅勤務は半分休みのような感覚さえある。通勤時間が片道で1.5時間程度あるので、単純計算で3時間の節約をしているのだからそれで合っているような気もする。

時間があるのでNetflixを見るのだが、何度も見たはずのGhost in the Shellをまた見てしまう。今見ても映像が美しいのには感心するし、台詞回しも素晴らしい。それでいて台詞に頼らない演出もしっかりしている。

いろんな作品で「賢い」キャラクターが出てくるが、知識をひけらかしたり難しい言い回しをしたりするだけだなと感じることがたまにある。Ghost in the Shellには素晴らしい掛け合いが数回あり、私はそういうのをみていると「賢さ」を感じる。例えばトグサが少佐に姿を隠した訪問者がいることを伝える場面や、イシカワが課長に「プロジェクト2501」についての調査結果を報告する場面。違いに相手が出してきた情報を自分で咀嚼して、頭を働かせて話していることがよくわかる。

知識で人を煙に巻くのは賢さではなく、自分の頭を十分に働かせることができるのがそうなのではないかと思うのだ。